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機能性原料

L−シトルリン

成分名L−シトルリン

  • L−シトルリン

基本情報

商品情報

表記名称 L−シトルリン
規格成分 L−シトルリン
形状 粉末

原料情報

用途 加工状錠形:粉末飲料、ドリンク
摂取目安量/日 推奨量:200~1,000mg/日
特記:摂取量が多く、特有な苦味があります。

商品説明

シトルリンとは

L-シトルリンはスイカから発見された非必須のアミノ酸です。特に野生のスイカに多く含まれる成分です。日本では、医薬品として、肝機能改善薬の成分としてや特殊な先天性代謝異常児の栄養剤などに利用されています。
L-シトルリンは、血液中でL-アルギニンに変化し、一酸化窒素(NO)の産生に関与しています。また、L-シトルリンは、尿素回路で働いてアンモニア除去などに関与しています。近年では、その強い抗酸化力作用が確認され、新規の抗酸化食品や化粧品の原料としても注目を浴びています。

アミノ酸とは

アミノ酸の広義は、「アミノ基(NH2)とカルボキシル基(COOH)の両方の官能基を持つ有機化合物」です。ヒトのカラダの約60~70%は水です。そして、残りの約半分がたんぱく質です。そのたんぱく質を構成しているのが約20種類のアミノ酸なのです。アミノ酸はおもに筋肉や消化官、内臓、髪や皮膚のコラーゲンなど体の重要な組織をつくっているたんぱく質の成分である他、カラダにとって様々な重要な機能を担っています。多くのアミノ酸は体内で酵素の作用によって合成されますが、9種類のアミノ酸については、体内で合成されないため、食事から摂る必要があります。この9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。また、必要な時に体内で合成できるその他の11種類のアミノ酸を非必須アミノ酸といいます。

<必須アミノ酸>
トリプトファン、リシン(リジン)、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン
<非必須アミノ酸>
グルタミン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、アラニン、グリシン、プロリン、セリン、チロシン

<食事からのアミノ酸の吸収>
アミノ酸は、その多くをたんぱく質やペプチドの形で摂取されます。たんぱく質は、腸で体の中に吸収されます。しかし、たんぱく質のままでは吸収できず、ペプチドやアミノ酸の状態にまで分解されてから吸収されます。ペプチドの状態で腸管に取り込まれた場合、その後ペプチドが最終的にアミノ酸に分解された後に血液で全身に運ばれ、体の中に吸収されるのです。

尿素回路(オルニチン回路)とアミノ酸
成人は、一日80~100gのたんぱく質を摂取し、13-16%の窒素を尿中に排出します。そして、その排出される窒素の80~90%が尿素です。摂取されたアミノ酸のアミノ基の多くは、最終的に尿素として排出されます。余剰な窒素(アンモニア)は、主に肝臓の「尿素回路(オルニチン回路)」で尿素へと変換されます。尿素回路は、体内で生成された有毒なアンモニアを、無毒な尿素に変換しているのです。その尿素回路の主要な構成要素が「アルギニン」「オルニチン」「シトルリン」です。

なぜ、シトルリンが注目されるのか?

L-シトルリンが注目されるのは、NO(一酸化窒素)産生に関与するからです。このNOが産生されることによって、様々なアンチエイジング効果を示します。

<参考>
Ingnarro博士は、まず、このNOが心臓血管系において情報伝達分子としての役割を果たしていることを発見し、1998年にノーベル賞(医学生理学賞)を受賞しています。そして、Ingarro博士は、L-アルギニンやL-シトルリンの摂取がNOの産生を活性化し、血管拡張によるコレステロールの蓄積や血栓の発生の抑制、心筋梗塞や脳梗塞の予防などの効果が報告されています。そして、L-シトルリンは、L-アルギニンからのNO産生が飽和になった時、さらにNOを作り出します。このL-アルギニンによるNOの飽和は容易に起るため、L-シトルリンの存在が重要視されているのです。

1)Ignarro LJ, Napoli C. Novel features of nitric oxide, endothelial nitric oxide synthase, and atherosclerosis. Curr Diab Rep. 2005 Feb;5(1):17-23.
2)Hayashi T, Juliet PA, Matsui-Hirai H, Miyazaki A, Fukatsu A, Funami J, Iguchi A, Ignarro LJ. l-Citrulline and l-arginine supplementation retards the progression of high-cholesterol-diet-induced atherosclerosis in rabbits. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 Sep 20;102(38):13681-6.
3)Hayashi T, Matsui-Hirai H, Miyazaki-Akita A, Fukatsu A, Funami J, Ding QF, Kamalanathan S, Hattori Y, Ignarro LJ, Iguchi A. Endothelial cellular senescence is inhibited by nitric oxide: implications in atherosclerosis associated with menopause and diabetes. Proc Natl Acad Sci U S A. 2006 Nov 7;103(45):17018-23.
4)Sica V, Williams-Ignarro S, de Nigris F, D’Armiento FP, Lerman LO, Balestrieri ML, Maione C, Palagiano A, Rossiello L, Ignarro LJ, Napoli C.
Autologous bone marrow cell therapy and metabolic intervention in ischemia-induced angiogenesis in the diabetic mouse hindlimb. Cell Cycle. 2006 Dec;5(24):2903-8. Epub 2006 Dec 15.

・シトルリンからの一酸化窒素(NO)の産生
L-シトルリンは、L-アルギニンに変換されることで、NO合成酵素の基質となります。そして、NOが産生されることによって、「血管拡張」「神経伝達」「免疫賦活」などの効果を示します(Dhanakotiら、1990年)。また、L-シトルリンは、腎臓でL-アルギニンへ効率的に変換され、シトルリンの摂取が結晶中のアルギニンの濃度を高めることが確認されています。NO合成酵素は、主に細胞小器官カベオラで発現しています。また、カベオラへのL-アルギニン供給がNO産生にとって重要な役割を果たしていることがわかっています。そして、このカベオラには、L-シトルリンからL-アルギニンを作り出す酵素も存在し、NO産生の場では、L-シトルリンからL-アルギニンへの再生が効率的に行われていることがわかっています(Flamら、2001年)。
※カベオラは、細胞質に存在する小器官です。物質輸送やシグナル伝達、腫瘍抑制など多くの細胞過程において、重要な役割を果たしていると思われる原形質膜陥入部位です。 カベオラの写真  (ø~100nm)

Molecular Biology of the Cell – Alberts etal. Garland (1994)
5)Dhanakoti SN, Brosnan JT, Herzberg GR, Brosnan ME. Renal arginine synthesis: studies in vitro and in vivo. Am J Physiol. 1990 Sep;259(3 Pt 1):E437-42
6)Flam BR, Hartmann PJ, Harrell-Booth M, Solomonson LP, Eichler DC. Caveolar localization of arginine regeneration enzymes, argininosuccinate synthase, and lyase, with endothelial nitric oxide synthase. Nitric Oxide. 2001 Apr;5(2):187-97.

・シトルリンの血管への効果
L-シトルリンの摂取は、NO産生を活発にし、血圧のコントロールや動脈硬化の改善など、血管へ様々な効果をもたらすことがわかっています。ChenとSandersは、高血圧のラットに6日間L-シトルリンを腹腔投与することによって、血圧が下がったことを報告しています。そして、NO合成酵素阻害剤を投与することによってこの効果が消えることにより、この効果はL-シトルリンからのNO産生によるものであることを確認しています。Hayashiらは、高コレステロールの餌を与えたラビットにL-アルギニン、L-シトルリン、抗酸化物(ビタミンC・E)を12週間経口摂取させることによって、それぞれのアテローム性動脈硬化への影響を評価しています。その結果、L-アルギニン、L-シトルリン、ビタミンC・Eすべてを与えたラットで最も顕著に改善傾向が示されました。また、L-アルギニン(2.5%)摂取群よりL-シトルリン(2%)摂取群の方がより改善の傾向を示しています。この報告から、L-アルギニンを単体で摂取するよりL-シトルリンと同時に摂取した方が、NO産生がより活性化するものと考えられます。また、この結果はHellerらの報告にあるように、ビタミンC・Eなどの抗酸化物質も摂取によってNO産生が円滑に行われることを表しています。

7)Chen PY, Sanders PW. L-arginine abrogates salt-sensitive hypertension in Dahl/Rapp rats. J Clin Invest. 1991 Nov;88(5):1559-67.
8)Hayashi T, Juliet PA, Matsui-Hirai H, Miyazaki A, Fukatsu A, Funami J, Iguchi A, Ignarro LJ. l-Citrulline and l-arginine supplementation retards the progression of high-cholesterol-diet-induced atherosclerosis in rabbits. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 Sep 20;102(38):13681-6.

・シトルリンによる疲労感の軽減、運動パフォーマンスの向上
L-シトルリンは、L-シトルリン-リンゴ酸塩として有酸素運動時のATP産生能力向上(Bendahanら、2002年)、アンモニア除去、乳酸消費の向上などの効果が確認されています。そして、その結果として、疲労感の軽減や運動パフォーマンスの向上(Verleyeら、1995年)が報告されています。Bendahanらの報告では、疲労をかかえているが特別な疾患のない健常人男性18名にL-シトルリン-リンゴ酸塩を15日間摂取させて評価しました。その結果、L-シトルリン-リンゴ酸塩の摂取により、運動中のATP生成が(非摂取に比べて)最大34%増加し、エネルギー貯蔵物質であるホスホクレアチンの20%の回復増加が認められています。これはATP合成の活性化によって疲労感が減少したものと考えられます。Verleyeらは、ラットに1.2g/kgのL-シトルリン-リンゴ酸塩を経口摂取させ、運動パフォーマンスの変化を評価し、運動パフォーマンスが向上することを報告しています。

9)Bendahan D, Mattei JP, Ghattas B, Confort-Gouny S, Le Guern ME, Cozzone PJ. Citrulline/malate promotes aerobic energy production in human exercising muscle. Br J Sports Med. 2002 Aug;36(4):282-9.
10)Verleye M, Heulard I, Stephens JR, Levy RH, Gillardin JM. Effects of citrulline malate on bacterial lipopolysaccharide induced endotoxemia in rats. Arzneimittelforschung. 1995 Jun;45(6):712-5.

・シトルリンによるアンモニア解毒
強度の強い運動を行うと、筋肉内にアンモニアが蓄積し、末梢性の疲労の原因となります。この蓄積を避けるために、肝臓における尿素回路でアンモニアは尿素の形で排出されます。また、アンモニアとグルタミン酸がグルタミン合成酵素によってグルタミンに変換され、アンモニアが代謝されます。骨格筋では、尿素回路が存在しないので、主にグルタミン合成酵素によって処理します。そして、L-シトルリンによるアンモニア解毒作用が数多く報告されています。Meneguelloらは、L-アルギニン、L-オルニチン、L-シトルリン(;尿素サイクル中間体)を経口摂取し、運動に与える効果を評価しています。その結果、ラットの運動継続時間が延び、血漿中のアンモニア・尿素濃度が減少しました。また、血漿中のグルタミン濃度は増加しました。これらの結果より、尿素サイクル中間体を摂取することで、(尿素回路を活性化するだけでなく)グルタミン合成酵素を活性化し、アンモニア解毒が進行することがわかりました。また、これらの摂取は、TCAサイクルを活性化し、筋肉内の乳酸放出を減少させていることも確認されています。また、Sadasivuduらは、L-シトルリン単体でも、このグルタミン合成酵素が(小脳と脳幹で)活性化し、アンモニア代謝(解毒)が進行することを報告しています。

11)Meneguello MO, Mendonca JR, Lancha AH Jr, Costa Rosa LF. Effect of arginine, ornithine and citrulline supplementation upon performance and metabolism of trained rats. Cell Biochem Funct. 2003 Mar;21(1):85-91.
12)Sadasivudu B, Indira HR. Effects of citrulline administration on enzymes of liver and brain in rats. Arch Int Physiol Biochim. 1976;84(3):425-30.

・シトルリンを強壮(ED)向けサプリに用いられる理由
強壮(ED:性機能不全症)向けにシトルリンが利用される理由は、主に「NO産生の活性化による血管拡張」によるものと考えられます。L-シトルリンの摂取は、体内でL-アルギニンへ効率的に再生し、NO産生を活性化します。その効果として、血管拡張が起ります。そして、この血管拡張がEDなどにも良いと言われているのです。このEDへの効果は、L-シトルリンではなく、L-アルギニンを用いた臨床試験で検証がなされています。Zorgniottiらの報告では、一日2.8g、2週間の摂取で約40%の改善が認められています。また、Chenらは、一日1680mg、6週間の摂取の条件下で、大規模な二重盲目法による試験を行っています。そして、L-アルギニンの摂取は、変則的な一酸化窒素代謝によってEDに有効であることが示されています。

13)Zorgniotti AW, Lizza EF. Effect of large doses of the nitric oxide precursor, L-arginine, on erectile dysfunction. Int J Impot Res 1994;6:33-36.
14)Chen J, Wollman Y, Chernichovsky T, et al. Effect of oral administration of high-dose nitric oxide donor L-arginine in men with organic erectile dysfunction: results of a double-blind, randomized study. BJU Int 1999;83:269-273.

・安全性
L-シトルリンは、人を始めとした動物生体内に存在する成分です。また、スイカなどの果実にも多く含まれることが知られています。シトルリン-リンゴ酸塩をL-シトルリンとして一日3.4g摂取しても、問題となるような副作用は確認されていません。

15)Bendahan D, Mattei JP, Ghattas B, Confort-Gouny S, Le Guern ME, Cozzone PJ. Citrulline/malate promotes aerobic energy production in human exercising muscle. Br J Sports Med. 2002 Aug;36(4):282-9.

相性の良い素材(成分)

全般(NO産生):アルギニン、レスベラトロール、ビタミンC・E
疲労回復・運動サポート系商品: L-カルニチン、BCAA など
強壮系商品: レスベラトロール、亜鉛、人参 など
※アルギニンやシトルリンは、摂取量が多いため、粉末飲料やドリンクでの摂取が適しています。しかし、これらの素材は特有な苦味があります。この場合、酸味料・柑橘系のフレーバー・甘味料を使用するとおいしく仕上がります。
※ビタミンCやEなどの抗酸化物質は、円滑なNO産生をサポートいたします。